2001年09月17日
014 美々津港遠景(撮影01.09.09)
この日は午前中少々曇っていた。時間的に太陽に向かって撮らざるを得なかった。
耳川河口を挟んで向こう側、ちょうど写真の中央辺りが、〈日本海軍碑〉と〈立磐神
社〉(ここからは黒い森になって見える)が、ある場所だ。
旧暦8月1日に、人々はこの港で、〈神武天皇のお舟出〉をしのんで、〈おきよ祭り〉
と呼ばれるお祭りを行う。
今でも、〈お舟出の日〉になると、各家庭で、神武天皇が舟出に際して携えた〈つきい
れだんご〉を作っている。
ところが、〈その日〉、呼びかけに応じて目を覚まさなかった住民の子孫の家は、だん
ごを作らず、だんごは近所からもらわなければならない。
今では〈つきいれだんご〉は、観光用の品として〈御船出だんご〉として、お店でも売
られてもいる。
〈舟〉という漢字の使用についてだが、地元では〈舟出〉という文字を用いている。だ
んごの商標名には〈船出〉が使われている。〈舟〉なのか〈船〉なのか...ここに真
実のヒントの一部が隠されているように私には思われる。
戦後、ほとんどの大学の歴史学の先生が神武天皇の実在を疑う立場についた。
しかし、美々津の人々は、千数百年にも渡って、〈実在しない人物〉のためにお祭りを
してきたのではない。
〈彼〉は確かに実在する。
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