鏡合わせの国










日本の古代を現在の一般認識のような単一民族国家としてではなく、アジア大陸からや ってきた複数の民族たちの連合国家と再解釈し直して、東洋と西洋の民族移動を大まか に図式化すると上に掲げたような日本とアメリカのイメージが得られる。中央のユーラ シア大陸の西と東に人種的な二つの大きなグループが存在し、さらに南方領域からそれ ぞれの地域に別種の血がそれぞれに加わっている。

西の端の国民と東の端の国民はともに混血民族となって、それぞれアメリカ人と日本人 という「新しい集団」を形成したのである(とはいえ日本の場合はそれはずいぶん昔に なされたけれども)。

さて、この図から、未来へ向けてわれわれはどんな認識と衝動を得られるだろうか。み なさんもどうか考えていただきたい。

補足

以下に、日本人はアメリカ人同様、多くの民族が〈ユーラシア大陸の東半分〉から---- アメリカ人は〈ユーラシア大陸の西半分〉から-----集結することによって形成された 「連合民族」なのだという科学的データを紹介する。

最近のDNAの分析によれば、日本人には、朝鮮人に多い特徴を持つものが24%、中 国人に近い特徴のものが26%、アイヌに近いものが8%、沖縄県人に近いものが1 6%、そしてそのどれにも属さない特徴を持つものが26%あった、ということが調べ られている。これは本州の日本人の4人に1人は、近隣の4つの地域の人々と関係のな いDNAを持っているということであり、彼らはまさに遠くからやって来た人々であっ た。DNA分析からいえば、日本人は決して「単一民族」ではない、ということにな る。

さらに親から子だけに感染するという「JCウィルス」のDNA鑑定によれば、世界の ウィルスには12の系統があることがわかっており、日本にみられるのは4系統で、 (1)朝鮮半島に多い型、(2)中国中部から北部に多い型、(3)東南アジアに多い 型、(4)ヨーロッパやトルコに多い型、があるという。これによると、東北の日本海 側に住む日本人には、その(4)の型、すなわちヨーロッパ、トルコ型が1、2割いた という。これは近隣国ではみられないものだとされる。いずれにせよ、日本人の血は多 様なのである。それらの人々が、日本列島の風土の中で、ひとつの民族をつくり上げた といってよい。(田中英道『国民の芸術』産経新聞社P11-12)